戦禍を越えて学びを結実― ウクライナ特別措置で受け入れた学生、一歩を踏み出す ―
筑波大学では、ウクライナ情勢を受けて、特別措置によりウクライナから多くの学生を受け入れました。シャドコ・ウリアナさんもその一人で、2022年冬に来日し、1年余りの研究生を経て、2024年4月に人文社会科学研究群人文学学位プログラム・英語教育学サブプログラム博士前期課程に入学しました。そして、無事に2年間の学びを終え、昨日の修了式で学位記を手にし、これまで積み重ねてきた学びの成果が実を結んだ大きな節目の一日となりました。
特別措置が始まった当初、英語教育学サブプログラム(平井ゼミ)では既に博士後期課程に在籍するウクライナ出身の国費留学生を受け入れており、その存在は、緊急かつ慎重な受入れを検討するうえで重要な判断材料となりました。オンライン面接などを経て、学士課程での専攻とは異なるものの、不安や混乱が広がる状況の中でも挑戦したいというウリアナさんの強い意志に応え、受け入れを決定しました。
来日してすぐに、博士後期課程に在籍していたアンジェリーナさん(ウクライナ出身)も交えて夕食会を行い、不安を和らげるとともに、教職員一丸となって相談できる環境を整えました。しかし、異なる言語や文化の中で、遠く離れた故郷の状況を案じながら学びを続ける日々は、決して容易なものではなかったかと察します。特に言語の壁は大きく、正規入学を果たすために、本学の日本語クラスだけでなく、東京にある日本語学校にも毎日通学し、日本語で対応できる力を着実に身につけていきました。その歩みは、東京新聞をはじめとする複数のメディアに取り上げられました。
今回の学位取得は、ウリアナさんご自身の努力の結実であると同時に、先行きの見えにくい世界情勢の中で、それぞれの場所で未来を模索する多くの人々に、学びが希望や可能性へとつながることを示すものです。また、学問を通じて培われた知識や対話する力は、日本での就職活動にも大いに役立ったことでしょう。ウリアナさん、博士前期課程修了ならびに学位取得、心よりおめでとうございます。英語教育学サブプログラムで培われた専門的知識、そして困難に向き合いながら修士論文を完成させた経験は、大きな自信となることでしょう。さらなるご活躍を心よりお祈りしています。
英語教育学サブプログラムは今後も、学問を通じて人と人とを結び、多様な背景をもつ人々に寄り添う学びの場であり続けることを願っております。
平井 明代(主指導教員)
筑波大学 人文社会科学研究群
人文学学位プログラム 英語教育学サブプログラム
ウクライナから避難したウリアナさん、筑波大院を修了して日本で就職へ 侵攻4年、故郷への思いと「将来の夢」:東京新聞デジタル
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